神前式のメリットと注意点。儀式や和装で大和撫子な花嫁に

結婚の心構え 2022.06.04

挙式と言えば、多くの女性がチャペルや教会でウェディングドレスを着る姿を想像しますよね。

そんなキリスト式の挙式も魅力的ですが、洋風文化が一般になってきた最近だからこそ、和装で行う神前式が注目を集めています。

ドレスのようなふんわりとした煌びやかさはありませんが、和装には日本ならではの洗練されて落ち着いた美しさがあります。神殿や神社で行う挙式はとっても厳かで、両家の親族のみで向き合うことにより家と家の結びつきが一層強まります。

この記事では、そんな神前式のメリットや行う上で知っておきたい注意点についてご紹介していきます。

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神殿式は和装&神殿で行う日本特有の挙式スタイル

神前式とは挙式スタイルの一種のこと。ウェディングドレスを着てバージンロードを歩くキリスト式に対して、神殿で和装(白無垢など)を身にまとい行う挙式を言います。

神様の前で両家が顔を合わせ、神職や巫女が両家の縁を結んでくれる形の式です。

神前式は、おおまかに次のような流れで行われます。

  1. 斎主と新郎新婦、仲人、親族が入場
  2. 斎主による祓詞(はらいことば)や神前に結婚の報告
  3. 三三九度の盃で新郎新婦が御神酒をいただく
  4. 巫女が舞を奉納する(プランによっては省かれることも)
  5. 新郎新婦が神前で誓いの言葉を読み上げ、玉串を捧げる
  6. 新郎新婦で結婚指輪を交換する
  7. 両家の親族が御神酒を頂く
  8. 斎主が結婚の終了を報告し、全員が退場

神前式は、主に次の3つの場所で行われています。

  • 神社
  • 専門式場
  • ホテル

専門式場やホテルにある神殿で神前式を行う場合は、そのまま同建物内で披露宴まで行うことができます。

神社で神前式を行う場合は、挙式とは別に披露宴の会場を手配する必要もありますが、披露宴会場があらかじめ併設されている神社もあります。

神前式を行う上でかかる費用は、神社であればおおよそ5万円~15万円ほど。ちなみに披露宴などは抜いて挙式のみの金額です。神社では式を演出する雅楽を生演奏にするか否か…といった点で費用が上下します。

専門式場やホテルなどで神前式を行うなら、挙式の後で予定されている披露宴や写真撮影などとセットになったプランを提示されます。こちらは挙式のみの費用であれば神社よりもリーズナブルに済むことがほとんどです。

日本ならではの厳かさと美しさを堪能できる神前式のメリット

「結婚」と言えば洋風のキリスト式を連想する人が多いためあまり知られていませんが、神前式には知れば知るほど魅力に感じるポイントがたくさんあります。日本ならではの挙式スタイルですから、日本に住んでいるのならぜひ知っておきたいですね。

神前式での魅力やメリットは次の通りです。

披露宴の前に両家で顔合わせができる

神前式の一番の魅力と言っても良いのが、両家の顔合わせをできることです。神前式では新郎新婦を先頭にして、その後ろに父、母、祖父、祖母…と順に両家の親族が決まった席に並んで向かい合います。

新郎新婦だけではなく、参列してくれる人たちも「相手の家のどんな立場の人がどんな人か」という点を一目で確認することができます。

例えば、新郎の父の向かいには新婦の父が座ることになります。参列者にとっては自分の向かいに座っている人が自分と同じ立場の人になりますから、披露宴の前に両家の人たちの顔をしっかり見ておくことができるのです。

親族の中には遠方からやって来てまだ相手の家の人たちに馴染みがないという方もいます。せっかく場が盛り上がりやすい披露宴で、相手の顔を良く知らないために両家の親族同士がぎこちなくしているのは嫌ですよね。

神前式では、参列してくれた人のほとんどが披露宴の前に相手の親族の人たちの顔を見て確認しておけるため、後から声をかけやすい雰囲気が出来上がりますよ。

洋風にはない日本特有の魅力

キリスト式に洋風の魅力があるように、神前式には日本特有の魅力があります。

バージンロードを歩くことはできませんが、代わりに着物を着て雅楽を聞きながら神殿まで歩き、厳かな雰囲気の中で二人の挙式を飾ることができます。

式を行う会場によっては、美しい日本庭園や社殿といったロケーションにも恵まれた場所で式を挙げることができます。

洋風の挙式では絶対に味わえない魅力が詰まっているのが神前式なのです。

巫女舞や斎主の言葉、新郎新婦の誓いの言葉などの儀式は、厳かに行われるからこそ二人がカップルから夫婦になることをはっきりと線引きしてくれます。

神聖な儀式だからこそ二人や両家の意識も高まって、より新郎新婦とその両家の縁が強く結ばれます。

「せっかくだからドレスが着たい」という花嫁さんは、神前式でだって披露宴でその願いを叶えることもできますよ。

伝統的な和装で大和撫子になれる

神前式と言えば多くの人が思い浮かべるのが和装ですよね。キリスト式に憧れを抱いていた女性の多くには「ドレスを着たい」という願望があると思いますが、和装にもドレスとは違った魅力がたくさんあります。

花嫁の衣装としては白無垢が一般的ですが、実は神前式で花嫁が着る和装には白無垢を含めて3つの候補があります。

神前式で花嫁が選べる着物の候補は次の通りです。

  • 白無垢
    …挙式のみ着ることを許された婚礼衣装。着物から小物まで全て白で統一されている
  • 色打掛
    …小袖の上からもう一枚着物をかけた豪華なスタイル。室町時代の婚礼衣装
  • 黒引き振袖
    …未婚女性の着る格式高い礼装。江戸時代の婚礼衣装として用いられていた

「神前式は白無垢一択」と思い込んでいた女性は、ぜひ神前式の和装も考えてみてはいかがでしょうか?日本だからこそ着られる本格的な和装で、大和撫子な花嫁になってみるのも素敵です!

色打掛や黒引き振袖は着物や帯の色、柄によって個性を演出できるためドレスとは違った別の形で花嫁を美しく彩ってくれます。

最近では白無垢にもたくさん種類があって、生地に織り込まれた柄や刺繍によって細かく花嫁の個性を演出することができますよ。

また、神前式での和装に洋髪のヘアスタイルを合わせられるプランも増えてきています。洋髪に生花や和飾りでアレンジを加えて一層華やかなスタイルにすることも可能!

洋髪+和装のスタイルなんて、現代の日本だからこそできるスタイルですよね。ウェディングドレスも華やかで素敵ですが、和装にだって同じくらい魅力的な点が隠れていますよ。

神社なら親族以外にも立ち会って貰える

後の披露宴が手軽にできる専門式場やホテルも捨てがたいですが、せっかく神前式を考えているのなら神社で行ってみてはいかがでしょうか?

神殿で行う神前式には、一般的には親族のみが参列可能でその他の友人や知人には二人の挙式の姿を見て貰えません。

しかし、神社で挙式を行うのであれば境内を歩いている姿はどんな人にだって見て貰えます。

「神前式だと友人や知人に見て貰えない…」と嘆いていた人は、神社で式を挙げることで問題が解決しますよ!

友人や知人に見て貰いたいときは、神社での神前式にして境内で待っていてもらいましょう。

また、二人が挙式を行うのは神殿ですから、神社の境内にはいつも通りに他の参拝客がいます。そのため、挙式で境内を歩いているとき、第三者の方からも気軽に祝福してもらうことができるのです!

知らない人からも祝福を受けながらの挙式って、開放的でロマンチックですよね。まるで海外で行われる人前式のような雰囲気を神前式でも味わえるのが魅力的です。

身近のみのシンプルな気安い式ができる

理由があって結婚式は親族のみでシンプルに行いたい、というカップルは少なくありません。そんなときは、身内だけを集めて行う神前式が向いています。

神前式では周りに友人や知人のような第三者がおらず、身内しかいません。そのため新郎新婦も参列者も肩の力を抜いてリラックスした式にすることができます。

また、「式は挙げたいけれどあまり大袈裟にはしたくない」というカップルにも神前式は向いています。日本ならではの奥ゆかしさがある神前式だからこそ、静かで落ち着いた式にすることができますよ。

新郎の活躍する場面が多い

神前式には新郎の活躍の場が多いのも魅力的です。キリスト式だと豪華なウェディングドレスの印象が強くてどうしても新郎の影が薄れてしまいがちですが、神前式では「誓詞奏上」という儀式の中で新郎が誓いの言葉を読み上げてくれます。

また、羽織と袴に身を包んだ新郎には日本男児にしかない逞しさがあってとても素敵です。

着物よりも洋服の方が一般化している現代だからこそ、和装での挙式でお互いのいつもとは違う一面により二人の愛を深めるきっかけにもなりますね。

新郎も新婦も同等に活躍することができる神前式は、参列してくれる両家の親族にも喜んで貰えますよ!

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神前式を100%堪能するために知ってほしい注意点

神前式をより堪能するためには、次の点に注意してください。

挙式でウェディングドレスは着られない

ウェディングドレスは多くの女性の夢ですよね。神前式では、当然ですが和装での挙式となりますからウェディングドレスは着られません。

「どうしてもウェディングドレスで挙式をしたい!」というこだわりのある人は、挙式スタイルを神前式に決めてしまう前にもう一度よく考えてください。挙式は一生に一度しかない大切な機会です。

しかし、式の前撮りや披露宴でウェディングドレスを着ることは可能です。

挙式自体ではなくてもドレスが着られたら良い、という人は事前の打ち合わせでウェディングドレスを着ての前撮りや披露宴について話し合っておきましょう。

神社で行うなら天候に気を付ける

専門式場やホテルなどの建物内で行う場合は特に問題はありませんが、神社で行う神前式では必ず「参進の儀」と言って新郎新婦と親族で揃って境内を歩く儀式があります。

このときに雨や強風などの悪天候に見舞われてしまうと、慣れない着物姿で歩くのにとても難儀してしまいます。傘を差して歩くことで参進に時間がかかってしまいますし、せっかくの華やかな衣装での写真もなかなか撮影しづらくなってしまいます。

神前式での撮影は、神殿内ではNGなため神社境内でしか行えません。もし境内のどこかで写真撮影をする予定があった場合は、天候によってはその予定を断念しなければならないことも…。

神社で神前式を挙げるなら、あらかじめ雨天時のことも考えた上で境内に屋根のある撮影スポットがある神社や、参進で通る場所にもすでに屋根がついている神社を探しておくのが無難です。

神社によってはバリアフリーでないこともある

歴史が深く古くから存在している神社であるほど、バリアフリーでの面がデメリットになってしまうこともあります。

急な階段や段差があったり、砂利道などの足場が不安定でガタガタした場所があったり…。

両家の親族に車椅子の方や足腰の不自由な方がいる場合は、式の候補に挙がった神社にあらかじめバリアフリー対応について相談しておきましょう。

もちろん挙式での主役は新郎新婦ですが、だからといって参列者を蔑ろにして良いわけではありませんよね。

もし神社での神前式が難しいようなら、バリアフリーに対応していることが多い専門式場やホテルでのウェディングも視野に入れましょう。

日本だからこそできる神前式で忘れられない挙式にしよう

現代では普段着も食事も小物も、ほとんどが洋風文化の色に染まりつつあります。だからこそ建物や衣装が和風で統一された神前式は、一生に一度の挙式を忘れられない鮮やかな思い出として残すことができます。

また、ご年配の参列者にはキリスト式よりも神前式の方が馴染みがあるため、ゲストにも気を配った挙式にすることができますよね。

せっかく日本で行う挙式ですから、日本にしかできない神前式で二人のウェディングを飾ってみてはいかがでしょうか?

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