受けてない?職場でのモラハラ。悪いのはあなたじゃない
毎日仕事に追われているあなた、気持ちよく会社生活を送れていますか? 仕事も人間関係も問題なしなら言うことはありません。会社は仕事を行う場というだけでなく、良好な人間関係が重要な場です。
ときには意見の対立があったり波風が立つこともあるでしょうが、基本は一緒に仕事をする仲間。同じ会社で働く者同士、ふだんは助け合って協力し、成果を出して喜びを分かち合う人たちです。
ところがその中に、心ない言葉を使う人がいたら・・・。
仕事の内容以外のことで、例えば容姿や人間性のことでモノを言ったり冷たい態度を取ったりする人はいませんか。誰かに精神的な苦痛を与えることは、モラハラという暴力なのです。
目次
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1.モラハラってどんなこと?
仕事で難題にぶち当たったときやミスをしたとき、うまく行かなかったとき、冷静に何がいけなかったのか適切に指摘やアドバイスをし、その後のフォローまで導いてくれるとしたら、それは正しい指導といえます。
あなたにとって貴重な経験になり、その後の仕事のやる気にもつながりますね。ミスは新人ばかりでなく誰でもしうるもの。反省し、きちんと後処理をしたら、前向きにまた仕事に取り掛かればいいのです。
けれども、その叱責が下記に挙げるようなパターンだったら、どうでしょうか。また、日常で、あなたが嫌だな、不快だなと思う態度を継続的にとられたら?
実はそれがモラハラなのです。
通称モラハラ、モラルハラスメントとは、肉体的な暴力によらず、言葉や行動によって精神的に人を傷つける暴力です。
男女問わず、ときには上司だけでなく部下から受ける場合もあります。
(1)業務のことではなく、その人自身を非難する言葉を使う。
- 「バカ」「アホ」「のろま」「ブス」などの言葉で罵倒する。
- 「性格が悪い」「頭がおかしい」など人格を否定する。
- 「おまえみたいなバカに仕事はできない」「人間として程度が低い」など尊厳を踏みにじる。
- 大声で怒鳴る、威嚇する、舌うちする など
(2)行動による嫌がらせをする。
- あいさつや会話で無視をする。(逆に、仕事に関係ないことやプライベートを深く聞く)
- 社内の伝達を伝えない。
- 教える立場でありながら教えるべきことを教えない。(または従う立場でありながら従うべきことに従わない。)
- 必要な会議に参加させない。 など
体への暴力は誰の目にもわかりやすいのですが、言葉や態度によるハラスメント(嫌がらせ)は個人対個人になりがちで、実態は本人にしかわかりづらいものです。
このように周りの人が気づかぬまま、あるいは気づいても止めにくいように、じわじわと陰湿に個人攻撃が進んでいくのがモラハラの特徴です。
2.「自分が悪い」、本当にそうでしょうか?
個人攻撃が日々少しずつ進んでいくと、モラハラの被害者は次第にそれが普通であるように感じてしまいます。殴られるわけでもない、仕事の間じゅう怒られているわけでもない、私が悪いのだから…と考えるようになってしまいます。
「あの人はああいう性格なのだ」「あの人は他の人に対しては普通だ」と相手を肯定し、「私がミスをせず、早く仕事をすればいいんだ」と自分を低く考え否定するようになります。
相手の性格や相手がどうしてそんなことを言うのかが通常の感覚では理解しがたいために、考えやすい自分のことを悩み、悪い方へと考えてしまうのです。
でもちょっと待ってください。
- あなたは、そんなに罵倒されるような悪いことをしましたか?
- 無視という態度は大人の正しい行動でしょうか。
- 今のままで会社でイキイキ仕事ができるでしょうか。
- 最近食事はのどを通っていますか?
- 睡眠はとれているでしょうか。
ストレスが多く疲れすぎていると、正しい判断ができません。まず心を落ち着けて冷静になりましょう。
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3.現状を記録、分析してみましょう。
あなたの心は落ち着いていますか? 仕事への意欲や情熱も奪われてしまっているかもしれません。深呼吸をして心を静かにして以下のことをしてみましょう。
(1)モラハラをする人を観察する。
どんなときに怒っているのか、いつ何を言ったのか、正確な記録をとりましょう。メモでもいいのですが、できればICレコーダーで録音するのがよい方法です。なぜなら、
- 第三者に相談するとき、またもしも法的な手段に訴えるときに有力な証拠になります。
- 自分に起きていることを、自分が客観的かつ冷静に見ることができます。
- その結果、正確な判断ができるようになります。
(2)モラハラをする人はどんな性格なの?と分析する。
自分より弱い者をいじめる、そんなことが子どもの頃から周囲でありませんでしたか?
その対象は、好きな子だったり、勉強やスポーツができる子だったり…。モラハラをする人は、つまりそんな人。
あなたのことを意識している、もしかして嫉妬しているかもしれません。あなたが素敵だから、仕事ができるから。
何かその人にない魅力をあなたが持っていて、その人が幼稚な嫉妬心を燃やしているのかもしれません。
あるいは、いつも強い立場にいないと不安な、心が弱い人、人間的に未熟な人かもしれません。あるいは自分が一番でないと気が済まない、大人になっても「ガキ大将」でいたい幼い人。
あるいは、心から笑ったことがない人かもしれません。その人は職場で楽しそうに、イキイキと仕事をしていますか?
家庭で、プライベートで楽しみがなく、職場であなたを標的にストレスを発散しているのかもしれません。人生に喜びがない、かわいそうな人なのでしょう。
記録をとり観察することで、モラハラをする人のいろんな面が見えて、バックボーンを想像できるはずです。大丈夫、あなたのほうが冷静で大人です。
(3)友人(一番近い第三者)に話してみましょう。
気の置けない友人とのおしゃべりはストレス解消にもなります。記録を見ながら話すのもいいですね。
友人から見た、その人、あなたはどんな感じでしょうか、第三者の立場から率直に意見を言ってもらいましょう。
友人は、あなたが弱っているときの本当の味方。共感してもらえば、心強くなるはずです。
4.さあ、対策をとりましょう
悪いのはモラハラをする人であって、あなたではない。ミスをしたとき、仕事が遅いときは、そのことを指導するべきであって、人格攻撃をすることは絶対に許されません。
(1)自分の心を強く持つこと
「ミスは悪かった、申し訳なかった」、でも「私という人間は悪くない」ということを心に置いて、自信を持って明るく振る舞いましょう。
あなたから積極的に周囲を明るくしていくぐらいの気持ちで。心が弱い人は、自分に自信を持っている人には勝てませんよ。
(2)上司に相談する
モラハラをする人より上の立場の人に相談しましょう。とっておいた記録のとおり、時系列に、そして冷静に話しましょう。友人に話すときに予行練習してもいいかもしれません。
ただ、問題はその上司が話に耳を傾けない、もっとモラハラな嫌味な上司であった場合。そのときには他部署の上司や人事部に訴えることも有効です。そして下記のような手段もあります。
(3)公共の機関に相談する
勇気を出して、まずは電話をしてみましょう。
- ・法テラス
- 国民のために国が設立した「日本司法支援センター」です。電話で適切な相談窓口、情報などを教えてくれます。法的な問題かどうかわからないときでも電話してOKです。また各都道府県に地方事務所があります。
- ・厚生労働省の総合労働相談コーナー
- 各都道府県に複数あります。労働条件やいじめ、嫌がらせなどさまざまな労働問題に関することについて、電話あるいは面談で相談に乗ってくれます。女性相談がいるところもあり、厚生労働省のHPでわかるようになっています。
くだらないモラハラに人生を左右されてはたまりません。一人で抱え込まないで、まずは身近な人に相談することからしてみましょう。
もし退職するとなった場合は、「自己都合」ではなく「会社都合」にしてもらう方法もあります。失業保険や退職金の面で違いが出ます。
ただ記録の存在が必要になったり時間がかかったり精神的につらいこともあるかもしれません。これも相談してみるとよいでしょう。
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