占い師の開運ブログ
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春の氣たつをもってなり
本日から、立春(2022年2月4日~18日)。
日出(にっしゅつ)の卯二つ時(う‐ふたつどき)、今朝5時51分に黄経315°の位置を太陽が通過し、新年の始まりとされる立春(りっしゅん)を迎えました。
1月1日 元旦ではなく、立春をもって新年とするのはなぜでしょうか。
それは、太陽の運行に基づく暦である節月(せつげつ)では、立春を正月節気(一月節気)、つまり、一年の始まりとするからです。
易の消長卦(算木に続けて占める陰と陽の割合から節月を表す12の易卦)でも、一月は地天泰(ちてんたい)。地天泰は、上卦に地、下卦に天を象る卦です。天の恵みは地に向かって注がれ(下卦に天)、地に住む者は天を仰ぐ(上卦に地)と観ることから、天と地のありかたが理想的で、もっとも縁起の良い卦とされています。一年の始まりにピッタリ。
立春の由来は、「春の氣たつをもってなり(暦便覧)」ですが、冬に止まっていた生命が再び動き出す時節とされる立春の情景にピッタリ。わたしたちの肌感覚では、まだまだ冬のように感じられますが、この時期ならではの習わしを取り入れて、開運生活を楽しみましょう。
旧正月と朔旦立春
旧正月は旧暦一月朔日(ついたち)から。つい先日の2月1日が新月で、ちょうど旧元旦にあたります。中華圏では、旧正月を祝う春節の真っただなか。
春節に月餅(月に見立てた中国のお菓子)をいただく習慣は、旧暦には太陰太陽暦(月の満ち欠けを暦の指標とする太陰暦に、暦と季節のずれを解消するために、太陽の運行も併用して閏月を加えた暦)が採用されていることから。
今年は、節月では本日、旧暦では3日前が新年でしたが、立春(節月)と旧暦一月朔日(旧暦)が重なると、「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」「立春正月(りっしゅんしょうがつ)」といって、それはもう縁起がよい日とされています。
前回は30年前の1992年2月4日、次回は16年後の2038年2月4日。楽しみです。
「立春大吉」「鎮防火燭」
一年の始まりの立春に、一年分の運気を授かりたいと、「立春大吉(りっしゅんだいきち)」「鎮防火燭(ちんぼうかしょく)」のお札を対にして貼っておくという風習があります。
前日の節分に、恵方巻をいただいて、歳徳神(としとくじん)のいらっしゃる恵方(あきのかた)から天徳を受けて幸福を賜り(2022年は壬方に飛泊しているので北北西)、豆撒きをして鬼を追い出し、準備万端で新年を迎えても、各戸から追い出された鬼がふらりと迷い入ることも。
その際、「立春大吉(りっしゅんだいきち)」のお札が玄関にあれば、表から見ても、裏返して見ても同じに見える、「立春大吉」の字形に、入ってきた鬼がまだ玄関をくぐっていなかったのかと混乱して出ていくという言い伝えが。それゆえに、立春大吉を書にしたためて戸口に貼り、厄を除けようという風習に。
立春大吉と対にして貼ると良いとされるのが、「鎮防火燭(ちんぼうかしょく)」のお札です。読んで字のごとく、火にまつわる厄災を防ごうと、火気を鎮めるための咒いです。
火を鎮めるためのものですから、三文字目の「火」の字を小さく書いたり、「水」の字を充てて験を担ぎます。四文字目の「燭」の字を偏の「火」を、水を連想させるような字形に変えて書くのもそのため。
オリジナルのお札セットをご用意しました。よければ、ご自宅でプリントアウトしてお札の形に切ってご利用ください。
お札を貼る場所は、玄関や門、鬼の出入口とされる鬼門(北東)や裏鬼門(南西)、神棚など。また、部屋の出入り口に貼っても。水回り(台所、浴室、洗面所、お手洗い)を避けて、立春大吉(向かって右)と鎮防火燭(向かって左)を対にして目線より上(神々を祀る場所)に貼って1年間の平穏無事を願いましょう。
立春の間(2022年2月4日~18日)に貼って向こう1年を守っていただいたら、次の立春で貼り換えた後にはお焚き上げで天に還しましょう。神社やお寺のお焚き上げに持って行けない場合は、清め塩と一緒に半紙で包んでから、処分または庭があればセルフお焚き上げ(火の扱いにはご注意ください)で供養していただければ大丈夫です。
東風解凍/黄鶯睍睆/魚上氷
立春 初侯・東風解凍(はるかぜ こおりを とく/2022年2月4日~8日)
立春 次侯・黄鶯睍睆(うぐいす なく/2022年2月9日~13日)
立春 末侯・魚上氷(うお こおりを いずる/2022年2月14日~18日)
さて、立春15日間の七十二侯はこの3つです。
初侯の「東風解凍(はるかぜ こおりを とく)」は、春の始まり。春を晴るや貼るにかけて、願い事や誓いを書にしたため、部屋の東(卯方(うのかた)は春の方位)の壁に貼ると成就に向けてよいスタートに。
次侯の「黄鶯睍睆(うぐいす なく)」は、春を告げる動植物が鳴きだしたり芽吹いたり、自然のなかに春の息づかいが現れるころ。散歩中に春の音に耳を澄ますなど、春の気配を肌に感じて春の気をチャージするように心がけましょう。春を連想するような音楽を聴きながらの瞑想もおススメです。
末侯の「魚上氷(うお こおりを いずる)」は、川や湖に張った氷や海の流氷の割れ目から、春を告げる魚が姿を見せるころ。産卵のために春になると浅瀬に姿を見せる眼張(めばる)や鰊(にしん)、旁(つくり)に春の字を持つ鰆(さわら)は春告魚(はるつげうお)の代表格。鰆は、春を祝う食卓にもピッタリ。また、摘んだ翌日には葉が伸びる生命力の強い明日葉(あしたば)も、この時期の食卓にピッタリ。セリ科の爽やかな明日葉をいただいて、一年間の心身健康を授かりましょう。
御守本尊「虚空蔵菩薩」
新年のはじまりに、丑寅の十二支守、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)様の護符をご用意しました。
虚空蔵菩薩様は、その虚空(大空や宇宙のような無限の空間)の蔵(宝庫)に無限の功徳を納め、尽きることのないご利益を授けてくださるとされる菩薩様です。
このパワフルな虚空蔵菩薩様の種字を納めた護符を携え、子安観音(こやすかんのん)様をお祀りしている宝篋印塔(ほうきょういんとう)へお参りし、錫杖(しゃくじょう)の遊輪(ゆうかん)を鳴らして、罪障消除、福徳増上の功徳を授かって参りました。
子安観音様は、如意輪観音(にょいりんかんのん)様から派生した観音様。如意輪観音(にょいりんかんのん)は、六道輪廻のうち天道の衆生を救うとされる観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)様の変化身で、かつては血で穢れた身と考えられていた女性は、その穢れからの救いを如意輪観音様に求めるよう勧められていたそうです。そこから、子安信仰が生じて、子安神様や子安観音様として祀られるようになりました。この護符に功徳を授かりました菩提寺も、如意輪観音様がご本尊でした。
また、錫杖には浄化する力があり、6つの遊輪は六道輪廻を表しますから、人間道にいるわたしたちが清められ、煩悩から放たれようとする導きも。
壬寅年の厄災を除け福徳を招くこの護符を授かり、この一年をどうぞ安らかにお過ごしください。
2022年2月4日(金)
恵司 宙宝(けいじ そら)